保存ということ。
伝統を守るというのは、どういうことでしょうか。
古くから伝わるものを保存し、そのまま残すことでしょうか。
文化財などであれば、それもよいでしょう。
しかし、水物ならぬ温泉を扱う場合はどうでしょう。
温泉は日々刻々と進化しています。
湯治客も日々変わってきています。
温泉も日々変わってきています。
その状況に合わせて最適なお湯を作り、提供する。
その技は代々受け継がれ、草津が体に聞くという
実質的な担い手になっているのです。
勘違いしてもらって困るのは、
温泉があるから効く。
草津の温泉が何でも治してくれるという思い込みです。
薬湯と呼ばれる草津温泉も、扱うものが素人では、
何の役にも立たないし、
素人が扱うことで、泉質主義は消えてなくなります。
湯治文化を守ることはお金がかかることです。
アメリカ型の合理主義や経済優先の考え方が横行し、
文化や福祉という面が、
この頃損なわれている気がします。
見た目の経済面を優先すれば、失われるものが沢山あります。
それに気づかない人は意外に多いです。
我々は文化歴史を守ると同時に、今の湯治も守っていきます。
それが、引いては多くの人を喜ばすことにつながっていくでしょう。
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