なくてはならないもの
草津には様々な事情を抱えて湯治に来る方が大勢います。有名な温泉に、その事情は人それぞれで尺時定規にはいきません。
ひとりひとりの悩みや事情を鑑みて、その人に会った湯治を進めていく。
時間湯は非常に手間と労力を必要とする場であるといえます。
でも、それは日本社会で考えた場合、病をいやして活躍できる人を生み出すことのできる有益な機関であるともいえます。現に草津温泉にて湯治をして、よくなって活躍している人は大勢見てきました。
時間湯がなければ、「人生がどうなっていたかわからない。本当にありがとうございます」という手紙をもらうこともしばしばです。
安倍政権の総活躍社会というスローガンはなにも経済を活性化させて生き生きと働く環境を整えるだけではなく、働きたくても病気で働けない人を社会復帰させるということも含むと思います。そうした意味において、もっと草津温泉の湯治は注目されてよいかな、また湯治のできる環境が整備されていいと思います。
残念ながら、重い障害のある方、歩行がままならないお年寄りなど、宿では対応しきれない方がまだまだ数多くおり、こちらの受け入れる体制が整わないがために、断腸の思いでお断りすることもままあります。もっと重度の障害のある方でも湯治ができる環境を作ることが絶対に必要となります。少数派を救うことが民主主義の根底にある社会は健全に回ると思います。決して見捨てないという安心感がよりよい方向に向かわせるからです。
救えるものは、救わなければならない。それがきっと世の中のため、日本のためになると信じています。
湯治に訪れる方が少しでも良くなるために私たちは努力し続けます。
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